山の本3題(その2) 「コンサイス日本山名辞典」
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2つめは「コンサイス日本山名辞典」 こいつをついにゲットした。 国土地理院の地図に記載されている山や、地図には名前がなくてもその地方で有名な山や峠13,000の山の辞典である。 辞典の何が面白いかって?? 百名山のピークをひたすら追いかけているだけの人にはわからないかもしれないが、山の本を読むとどうしても山名の由来とかそういう話が出てくる。山の名前、読み方、別名、位置や標高に加えて、多くの山の解説に山名の由来やその山の来歴、伝説などが記載されているのがこの辞典である。 昭和53年に刊行され翌年に修訂版が出ている。出た翌年にわざわざ別の版を出したということは細かい間違いや誤植は多数あるのであろう。ぼくが今回入手したのは初版の方である。辞典なので先頭から読んでいるわけではないが、残念ながら「権右衛門山(南アルプスの塩見岳のそばにある)」の標高が3047メートルとなっているのを早くも発見してしまった。
それでもやはりこの本は面白い。 ためしに奥武蔵の展望台の丸山を見てみよう・・・。あれれ、丸山ってたくさんあるのね。でも全国に81座もあろうとは・・・。
前回話題にした金峰山をみると、さすがに奥秩父の重鎮だけあって20行を費やし、呼び方(山梨と長野では違うが統一された)とか1967年に北岳から持ってきた雷鳥を放したとか、もちろん山名の由来(あまりにも有名ではあるが)登山路がどこからとか・・・いろいろ。 先月行った瑞牆山に至っては、空海が霊場として検討したが谷の数が足りないので高野山にした、その時空海が彫った梵字がどこそこにあるとか、まったく知らないことの羅列・・・。「へぇ〜」と100回くらいたたきたい感じである。 山の部位(肩とかキレットとか)の呼び名とか地方特有の呼び方や全国あるいは地域で共通の名称なども囲み記事として掲載されており、それらを拾い読みするだけでも興味深い。 とにかく、Googleでも、神田古書店街でもブックオフでもなかなか探せなかったのだが、Infoseekで名古屋の古本屋さんの在庫リストがひっかかり、すぐに注文した。 本の色は写真のとおり赤なのが、ちょっと意外ではあったが、山の本関係の出来事でここ数年来の記念すべき出来事で、木暮理太郎の「山の想ひ出」の平凡社ライブラリーでの復刊、岩波文庫での田部重治「山と渓谷」復刊と並ぶ出来事なのであって、3000円はとても安い買い物なのである・・・、ぼくにとっては。 |
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