1.カーナビとハンディGPSの違いGPS=カーナビ、と思い込んでいる方のために、少し解説。
GPSは衛星からの電波を捕捉して、緯度経度の情報を表示するのが基本機能です。GPSのこの機能に電子地図ソフト、各種の交通情報(道路情報、一方通行など)や自動車からの情報(車速等)を加えこれらを制御するソフトウェアを搭載した装置がカーナビです。
したがって、GPS単体に近い大きさのハンディGPSと液晶ディスプレイに大型の専用の本体を持つカーナビとではできることに大きな開きがあります。最初にこの点を認識してください。
少なくとも、何の準備もなくハンディGPSを山に持って行けば迷わず目的地に行けるようになるものではありません。ハンディGPSはあくまで地図やコンパスの補助です。ハンディGPSには電子コンパス内蔵モデル(注)や地図内蔵モデル(注)がありますが、これらの機能は紙の登山地図やコンパスの代替とすべきものではないです。ハンディGPSは電子機器 ですから、故障することもあるし、電池がなくなって動かなくなることもあります。
(注)ハンディGPSのモデル・種類については次項で解説します。カーナビとハンディGPSとの違いを下記にまとめました。
できることの差に唖然としている人もいるでしょう。しかし、それでもハンディGPSはとても役に立ち、場合によっては遭難を防ぎ、かつ楽しいツールです。
カーナビとGPSの違い (注)カシミール:DAN杉本氏作成の総合地図ソフト。特にGarmin製のハンディGPSとの連携機能が豊富。GPSへの各種データ登録をPC上で行うことができる。
カーナビ GPS 備考 位置情報 ビルの谷間や上空があまり開けてなくても位置がわかる 谷あいや樹林帯など上空が開けていないとだめ カーナビは車速センサー・ジャイロなどで補正している 表示位置の正確さ ほとんど狂わない ビルなど電波の反射物があると大きく狂うことがある カーナビは道路からずれると無理やり道路に戻すことがある。あまりにおかしな動きは表示に反映させない ナビゲーション機能 目的地を指定すると途中はナビゲーションしてくれる ルートを作成すれば次の登録地への方角を表示する GPSには当然ながら音声ガイダンスはありません。 帰路設定 自宅へ戻るような設定がある トラックバック機能で来た道を戻ることは可能 目的地の情報 地名や電話番号などの情報を内蔵 都市名などを除き入力が必要 GPSも地図モデルの場合、詳細な地名を表示できる 最新情報 通常は更新できない 必要な場所やポイントをGPSでもパソコン経由でも登録可能 カシミール(注)との連携で情報更新は比較的容易