【発端】
　甲府で旧NIFTY-Serveのフォーラムの初代世話人を務めたWalstoneさんこと石垣さんのパノラマ写真展が開催されることになったため、カシミールの杉本さんやAriesさんと観に行くことになった。
　 在来線特急、しかも「あずさ」なんてたぶん今世紀初ではないか。振り子のE351には乗ったこともなかったけれど、後継のE353の車体傾斜機構の乗り心地を楽しみに、そしてもちろんこれも久しぶりになる甲府盆地越しの南アルプスの眺めに期待して出かける。JR東海になる身延線の313系や特急ふじかわの373系を見るのも楽しみ。
　指定券の予約も、えきねっとの再登録から始めた。

【あずさで甲府へ】
　八王子から乗車。南小谷行きだから寝過ごして大糸線まで行かないようにしないと、と思っていたが、杞憂。
　さすがに183系の頃とは違う。中央線でもこんなに揺れないのか、カーブも車体傾斜が違和感なく作動しているようだ。あずさはまだ車内販売（ワゴンサービス）をやっているのか、などと感心しながら、初狩や笹子の駅構内のスイッチバック遺構に興奮（写真撮り忘れた）しながら笹子トンネルを抜けるとやがて少し霞んだ南アルプスが見え、興奮気味。しばらくすると御坂山塊の向こうに富士山が顔を出す。晴れて良かった。
　1時間ほどであっという間に甲府駅到着。甲府駅に降りたのは学生時代以来かも。

【甲府駅周辺】
　駅のホームで発車するあずさを見送ってから、身延線のホームまで歩くとJR東海の313系がとまっている。JR東日本の115系や165系の顔を少し現代的にシェイプした感じだが、頭でっかちな印象。その間にも各駅停車や団体列車の211系や後続のかいじやあずさがけっこう頻繁に来る。不思議とE257には会わなかった。
　南口に出てとりあえず身延線を撮ろうと舞鶴城にそって東に歩き、最初の踏切に来た。信号機が邪魔だが、まあそこそこ撮影できるようだ。身延線の金手駅まで歩こうかとも思ったが、暑いのでやめた。
　ブルーサンダー単機を撮影中にデジカメの液晶画面がタイマーで消えて焦っている間に上りの211系と被って慌てるうちに、甲府行の特急ふじかわが来た。373系を初めて見た。特急なのに3両なのは少し可哀そう。12両のあずさを見た後なので、特にそう思った。
　そんなこんなでけっこう時間を喰ったので、山梨県立美術館のミレーはあきらめた。バスも30分後までなかったし。

【武田神社】
　　とりあえず武田神社へ。ここも1度だけクルマで来た覚えがある（2002年4月の帯那山の帰り）が、前回はほとんど見ていない。甲府駅からのバスは3%程度の坂を登っていく。途中は山梨大学の施設が多い。七五三の家族連れや老人団体でそれなりに人が多い。宝物館にも入ってみた。入口に色褪せたキティちゃんの石像が場違いに建っていた。宝物殿は中は狭いが、写真でしか見たことがない有名な絵や甲冑がそれなりにあって意外と良かった。
　バス停のそばにはきれいな公営の無料施設があって、展示物の数だけならこちらのほうが宝物館よりも多い。「どうする家康」の等身大のポスターはちょっと・・。たしかに信玄も出ていたけどね。
　周囲にコンビニや食べ物やがなかったのでここでそばを食べた。良心的な価格。
　遠くを眺めると富士山や南アルプスの間ノ岳や鳳凰三山も見えた。駅から見えた甲斐駒は手前の山に隠れて見えない。

【写真展へ】
　写真展の会場まではここから0.5キロほどなのでゆっくり歩く。途中、武田神社の駐車場が2か所あった。こちらは山門前とは違ってガラガラ。次回、クルマで来ることがあれば覚えておこう。
　坂はけっこうきつい。4%くらいあるか。途中の公園で休憩してから歩き始めると、背の高い人が後ろを歩いている。このあたりでこの時間にわざわざ歩いている人は地元民ではないので、たぶんDAN杉本さんだろう。
　会場到着寸前で声をかけられた。やはり杉本さんだった。建物の入口で会場へのアプローチを探していたら、Ariesさんもいらした。期せずして3人同時に入場。入口で靴を履き替えていると階段から石垣さんが迎えにきた。石垣さんにお会いするのは2002年6月の帯那山以来。挨拶もそこそこに、階段に貼ってあるパノラマ写真から見始める。
　家庭用プリンターでの印刷とは思えない光沢と仕上がり、そして何といっても写真そのものが素晴らしい。平野武利さんの赤外線モノクロ写真集「山頂にて」を思い出した。ただし、平野さんの写真は中央本線の主として低山からの写真であり、石垣さんのパノラマはほとんどが日本アルプスなのでやっぱり写っている山の迫力が違う。しかもカラーだ。記念に写真をばしばし撮らせていただいた。
　入館者は我々だけかなと思っていたら、石垣さんの同僚や教え子の若者などもいて、なかなか賑やかだった。
　若い女性に石垣さんがカシミールの杉本さんを紹介すると女性が驚いていた。カシミールをご存知とは「山ガール」なのかも。

【帰京】
　近隣の高台が展望が良いというので杉本さんとふたりで喘ぎながら登った。杉本さんは今でもときどき登っているとのことで、ザックと靴を軽量タイプに更新したけど、登りが楽にはならなかったと言っていた。自転車も同じ、所詮はエンジンが自分の脚。
　高台まで登ると富士山も良く見え、甲府盆地の向こうに南アルプスが霞んでいた。
　石垣さんおすすめの田舎道へ下り、コスモスを眺め、甲斐駒を眺めながら武田神社に戻る。ちょうどバスが来たので甲府駅まで戻った。
　予約していた電車まで時間があったので、１つ前のあずさで帰京の途についた。E257を観なかったのでE257のかいじとかを探そうかとも思ったが、E353よりも設備が劣るE257にわざわざ乗ることもないかと思い、直近のあずさで東京に戻った。