高川山 976m 94.3.21

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 3連休の最後の晴天をねらって、懸案の高川山へ行ってきた。
 最近Nifty-Serve の『山のフォーラム』でも話題になっているようだ。

 永山駅始発の下り5:16発に乗るため、家からタクシーを驕り、6:15高尾発の松本行きに乗る。初狩へは7時ごろに到着。仰ぎ見る滝子山の雪化粧に今日の山の雪具合を少し懸念するが、たかだか1,000m足らずの山、最近人気もあるというし問題なかろうとたかをくくることにする。

 やけに狭いガードをくぐり、評判どおりの完璧な道標に導かれて歩く。天気はまさに快晴だが、少々寒い。足が寒いがこの先少々不安、やはり毛糸のスキー用タイツをはくべきであったか。

 道沿いのお墓に供えられた花の綺麗な姿に、今日はお彼岸なのだと実感する。
 私の前には5人組の中高年パーティ、1人が40前後、3人は50代、残る1人は70ほどか男3人、女2人のパーティだ。

 椎茸の栽培地から登りが始まる。すぐに旧道と新道の分岐にさしかかるが、予定していた旧道は林道工事中とかで閉鎖されていたのできついと言われる新道をいく。ナルホド、アキレス腱が切れそうな坂だ。でも所詮2時間の辛抱であればぐんぐん高度があがるこちらの方がよいかもしれない。腕時計の高度計は駅では460mであったのが登るにつれどんどん数字が上がる。結構はげみなるし、地図で現在位置を確認するのにかなり便利、問題はどの程度の精度かだ。山頂へいけば答えがでる。

 幸い雪はないが、雪融けで道はかなりすべりやすい。木につかまり岩に手を掛けても予想外の急登が続く。そうしている背後は滝子山から雑木林の合間からの富士山となり、心も踊る。三ツ峠は相当な雪だ。この季節、やはり標高1,000mが雪線か。上部には僅かに雪が残るが歩行には問題なく、本日の山の選択は正しかった。厳しい登高で寒さもどこへやら、セーターを脱いでも暖かい。

 歩き始めて1時間30分ほどで高度計は960mを指している。ここは2時間以上のコースだからまだまだのはず、やはり高度計の精度はこんなものかと思いきや、山頂についてしまった。高度計は975mを指していた。

 山頂には時代ものらしき高川山と彫った大きな石碑と最近設置されたとおぼしき展望表示盤、いつもながら担ぎ上げた人に敬意を払うとともに別になくてもいいのにとも思う。

 展望はと言えば、期待どおりの 360度の大展望。南西にまだまだ真っ白な富士、右に回ると鉄塔の目立つ三ツ峠とその右に本社が丸、鶴が鳥屋山、中央道の真上に笹子雁が腹摺山、雁が腹摺山の送電線鉄塔の左には甲斐駒、少し左に鳳凰三山の地蔵岳と観音岳、さらに左には真っ白い間の岳が見える。お坊山の右には滝子山から南大菩薩の山山、黒岳と雁が腹摺山には最初雲がかかっていたが、これもじき晴れた。ここから見る雁が腹摺山は綺麗な円錐で左の黒岳と並んでとても立派に見える。左斜面には送電線の鉄塔が見える。

高川山から見るお坊山(右)と笹子雁ヶ腹摺山(左)、奥に南アの白根。(拡大画像は107KB) 高川山から滝子山(左)と雁が腹摺山(右)を見る。(拡大画像は72KB)
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 右奥にはチョコンと鷹の巣山が見え、手前に百蔵、扇山その奥には見慣れた陣馬山、さらに中央道河口湖線の向こうには九鬼山さらにむこうにはほぼ同じ高さに高畑山、倉岳山が重なって見える。丹沢の大室山は随分と山容が異なる。さらに道志の最高峰、御正体山と鹿留山と杓子山の大きな山容が続き、富士山に戻る。

 予想よりも南アの眺めがやや少ないものの(北岳が見えない)、双眼鏡で覗けば、地蔵のオベリスクまで見えたし、何といっても富士山が見事だ。このあたりの山は常に富士山が見事なのだが、ここは三ツ峠に匹敵するロケーションかもしれない。

 去り難い絶景ではあったが、大月の局と韮崎の局の2局のみQSOして1時間半にわたる大休止を終え、禾生(かせい)へ下る。山頂直下では急坂の泥濘に苦労した。下りた古宿の部落でもお彼岸らしく墓地には線香の匂いと生けたばかりの花が目立つ。中腹より下の方はすでに春の香り、新緑の兆しがしていた。

 意外と混んでいた11:29 発、立川直通で帰宅。終日、富士をお供に(富士急行の駅からも見える)日だまりハイクにふさわしいコースであり、人気の理由もおのずとわかる。貴重な早春の一日であった。 

                      (終)

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