カシミールとGPS軌跡によるコース概観(35KB)広河原まで電車・バスかマイカーかを考えたが、自宅最寄り駅を始発で出ても甲府着がかなり遅くなるので車で出かけた。(ちなみにJRの時刻表はここ。南アルプス関係のバス時刻はここにある。)
とりあえず芦安村にカーナビを合わせて出発したのが5時すぎ、甲府昭和ICで高速を降りあとはカーナビ任せで車を走らせる。南アルプス街道にもコンビニができていた。
「広河原駐車場が混雑するのでマイカーでこないように」との看板を2つ見た。もしこれに何らかの策(駐車スペースとか代替交通手段)が記載してあれば、内容によってはそれに従おうかと思っていたが、特に記述はなく(といっても走り読みだが・・)そのまま車で広河原をめざす。
芦安を過ぎると山道の様相を帯びる。夜叉神峠をすぎると照明がないトンネルを何回かくぐるが道幅が狭いので入ったもの勝ち、暗いトンネル、したたる地下水、朝でもあんまり通りたくない・・・。
観音峡にさしかかると大きく間ノ岳と北岳がせまる。今日は快晴のようだ。
広河原着は8時を回っていたが、心配した駐車スペースはまだかなり空いていた。アルペンプラザで家に電話を入れて出発したのが8時半。
吊り橋を渡り大樺沢に向かう。
天気は快晴だが北岳の山頂付近はガスの中だ。
なにせ1日に3時間以上の登りは奥穂高以来5年ぶりという弱体化した体力でどこまで行けるかが問題。歩きはじめの1時間は斜度とは無関係にけっこう疲れた。ただ、このコースは沢沿いかつコースそのものもかなり沢そのものなのでなにしろ涼しいのが助かる。汗は出るのだが風が少しでも吹くと思わず「気持ちいい!」と叫びたくなる。30分に1回は休憩しながらなんとか二俣までくる。時刻は11時半。出発から3時間。おお、あれだけゆっくり歩いた割にはけっこうまともな時間で歩いているじゃないか。これなら今日じゅうに北岳まで行けるかもしれない・・・。
ただ体調がいまいちなのかいつも食べているコンビニのパンとすしがのどを通らないので、あんパンとクッキーに変更する。こっちは大丈夫だ。飲み過ぎになるほど水を飲む。見上げればバットレスのガスが晴れてきて山頂付近のスカイラインが見える。日差しは強いが沢のおかげで涼しい。高度はすでに2200mを越えている。
当初は八本歯のコルから北岳山荘の予定だったが、登山口の「北岳山荘で夕食をとる人は5時までにおいでください」という看板と、ときどき頭がふらつきバランスをくずす感じがするので危険な岩場を避け、右俣コースから肩の小屋を目指すことにした。まあ、今からなら5時には着くだろう。
12時過ぎに出発。右俣の前半はかなりへばった。急坂は高度が稼げるので嫌いではないが木の根伝いの道は大きく足を上げる必要があり疲れる・・。それでも鳳凰3山の高さを自分の場所と比べながら少しずつ高度を上げていることを確認する・・。すぐに立ち止まりたくなる。でも「山頂は歩いて来ない、だから歩いて行くんだね」とあほな替え歌を頭のなかで歌いながら足を出す。
それでも1時間ほどで草原に出た。小太郎尾根が望めるが上を見るといやになる・・。それでもこの季節の割には花が豊富なのはさすが北岳。ここから先もなかなかの急坂が続くが花のおかげでずいぶんを気を紛らわせることができた。ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、ホソバトリカブト、ヒメシャジンといった花が多いが稜線が近づくにつれて花模様も変化してくるのが楽しい。
小太郎尾根の稜線に出たのは14:50。仙丈ヶ岳や甲斐駒は雲のなかだが北岳の本峰が見えまた花も変わる。トウヤクリンドウが多くなり、チシマキキョウも多い。14:57に出発し、肩に到着したのは15:37になっている。
とにかく宿泊の予約をして(2食付き7000円)まずはビールだ。
夕食が16:30からと早かったので食事が済むとやることがない。
周囲の山は雲が多いものの天気がいいのでみんな小屋の前でたむろして山を眺めている。 中ア、北アは最後まで姿を見せなかったが甲斐駒が雲に浮かび、仙丈ヶ岳は日没後に顔を出した。富士山が夕日に染まってきれいだった。夜空は満天の星と天の川。
宿は混雑というほどではなく広くはないが相応のスペースを与えられた。周囲のざわめきで目を覚ます。4:48。おお、日の出が近い。
東の空はすでに赤くなってきた。富士山のシルエットがきれいだ。
手前の鳳凰3山は逆光で黒く、背後の仙丈ヶ岳はまだ日が当たっていないのでやはり黒い。甲斐駒もまだ黒のまま。空は青とオレンジのグラデーションだが山はまだどこも黒い。やがて鳳凰のむこうから日が昇る・・・。日が少し高くなると今まで黒かった甲斐駒や仙丈ヶ岳が赤くなる。
ああ、これだから山はやめられないね、歩けなくなっても・・。
荷物をまとめて6時に出発、山頂には6時50分に到着した。
北岳からの展望はガイドブックなどで頭の中に入っているがもっとも有名な間ノ岳から塩見岳への山波(下の写真)を実際にこの目で見たときはやはりうれしかった。
中アはわずかに望めるだけだった。あと関東方面が富士山以外ははっきりしなかったが、あとは見えるべき山は大体見えたと思う。
北アは最初雲の中だったが次第にガスが晴れ、白馬3山からの後立山連峰、立山・剣、表銀座、槍・穂高までは確認できた。乗鞍はみえなかった。
甲斐駒の奥には妙高・戸隠、八ヶ岳の硫黄岳と天狗岳の間に浅間山、右に奥秩父という感じ。南アは笊が岳など東寄りの山が雲のなかであったがその他はおおむね見えていた。カシミールと展望写真(56KB) 去りがたい山頂を後にして肩に戻る。肩からはまた二俣を目指すことにした。こちらの方が白根御池コースよりも時間が短いようだ。
小太郎尾根から二俣をめざすころになるとガスが出てきた。これから登る人には申し訳ないが、涼しくてありがたい。涼しさついでに二俣の手前では雨まで降ってきた・・・。もっとも広河原に着くまでには雨もあがった。
二俣まで下りで2時間、そこからさらに広河原まで2時間半・・・。う〜う、やっぱり下りが異様に遅いなあ。1時50分に広河原着。広河原で車上の人となり帰路をめざしたのは2時過ぎ。途中、芦安あたりでは温泉もかなりあったので誘惑になったが、帰りの渋滞も考えてそのまま高速に乗ったので、渋滞らしい渋滞にはほとんど遭わずに5時半に帰宅できた。
P.S スカイラインのにいちゃん
広河原で車を止めたとき横にスカイラインGTRが止まっていた。
さて、肩の小屋で男2人連れのパーティと寝床が隣りだった。この二人とは食事も一緒だった。二人の話を聞いているとスーパー林道をかっ飛んできたらしい。そのときあのGTRを思い出したが何もいわなかった。
この二人も北岳ピストン組だった。下りも同じ右俣コース。彼らの方が先に下山した。
私が下山したとき車の横にGTRはなかった。もう出発したのだろう。もっともあの二人がスカイラインの持ち主とは限らない、と思っていたら、その二人がまさにそのGTRで前を通った・・。林道とは反対の方向だ。あれれどこへいくのかな。その後戻ってくるところは見かけなかった。芦安への道は細くカーブが多い。
あるカーブで見覚えのあるGTRがボンネットをへこませて路肩に駐車している。すぐ右の路上にはヘッドライトやウィンカーのカバーの破片が。どうやらカーブで対向車とぶつかったようだ。ふと見るとあの二人が横にいた。なんか偶然だなあ、袖ふれあうも他生の縁、何かしたほうがいいかなと考えながら車を走らせるとパトカーとレッカー車?が登ってきたのでそのまま降りることにした・・。
運転には気をつけましょうね。
場所 時刻 18日 - 広河原駐車場 815 アルペンプラザ 831 大樺沢二俣着 1125 同 発 1203 小太郎尾根稜線 1450 肩の小屋着 1537 19日 - 同 発 559 北岳山頂着 649 同 発 736 肩の小屋 816 小太郎尾根稜線 856 大樺沢二俣着 1055 広河原駐車場 1350