自作標高データをカシミールに読ませる方法
(メッシュデータ、CSVファイルの数値地図化)

このドキュメントはぼくが以前に@nifty FYAMAPにアップしたものをHTML化したものです。
 当時、数値地図は50mメッシュ1枚(2万5千図1幅分)がFD1枚で9,700円もしました。
今ではCD-ROM1枚に約2000枚分のデータが7,500円で販売され、「山旅倶楽部」のサービスを利用すれば年間2800円で全国の地図データが使えますが・・・。当時はそんな状況だったので有志のみなさんが紙地図にメッシュをひいて標高値を読みとる作業をしていました。紙地図1枚全部を拾うのは大変な作業なので有名な山の山頂周辺だけデータを作成し「部分メッシュデータ」という名前で@nifty FYAMAPにアップしていました。
 このドキュメントはそうしてアップされた多数の「部分メッシュデータ」をどうやったらカシミールで読み込める数値地図形式にできるのかを記載したものです。
 というわけですでに用済みのドキュメントですが、ユーザが独自にメッシュデータを作成した場合、そのデータをカシミールで利用するためにはこの方法はまだ有効です。もちろんエディタでシコシコやるほか、CSVファイルにして、EXCELなどを使うことも可能です。
 先日、カシミールユーザの方が自作の2.5mメッシュのデータのCSVファイルを作成され、このドキュメントを参考にしてカシミールに読み込ませたことを知り、まだまだ使えるかな、と思ってWebにアップしました。

 元のデータは@niftyのFYAMAPの3番ライブラリにありますが、こちらにもアップしました。元データは下記のドキュメント(テキストファイル)の他にメッシュデータのテンプレート(DEFAULT.MEM、テキストデータ)が収録されています。
 なお、下記ドキュメントは現時点では実状に合わない部分があるかもしれませんがそのまま記載します。また一部、表イメージの部分はスペースの関係で見にくい部分が あるのでその際には直接defmem.txtをごらんください。

ダウンロードはこちら(6592bytes)

なお、数値地図化ソフトはその後いくつか出ていますのでhttp://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/home/yama/index.htmlもごらんください。


DEFMEM.TXT

+------------------------------------------------------+
|  部分メッシュデータを数値地図形式に変換する方法 |
+------------------------------------------------------+

                        1996/4/13
多摩の岳夫
目  次
  =========

   1. はじめに
   2. アーカイブ内容
   3. DEFAULT.MEMの内容
   4. 使い方
    4-1. ヘッダーレコード
     4-2. ヘッダーレコードの修正箇所
     4-3. データレコード
     4-4. データレコードの修正箇所
     4-5. レコード番号等の求め方
   5. 修正のヒント
    5-1. エディタの「行」表示の設定 
     5-2. エディタの「置換機能」の利用
     5-3. 上書きモードの利用
     5-4. 試し利用
     5-5. フリー数値地図の修正
   6.その他
     6-1. 著作権
     6-2. 転載条件
     6-3. 免責
     6-4. 謝辞


1. はじめに
=============

   このファイルは地形図から読み取った標高データをもとにカシミール等で描
画するために数値地図化する手法を記したものです。

   50mメッシュを標準に記載していますが、250mメッシュの利用も考慮し、適
宜注釈していますので、DAN杉本さん作のフリー数値地図(250mメッシュ)
にお気に入りの山を追加して楽しむなどの利用法にも応用できます。

   本ファイルがみなさんの「展望ライフ」の一助となれば幸いです。
   また、本ファイルをきっかけに「部分メッシュデータ」を作成される方がひ
とりでも多くあらわれることを希望します。


2. アーカイブ内容
==================

このアーカイブには以下のファイルが含まれます。

  ・DEFAULT.MEM 数値地図50mメッシュ(標高)のデフォルト形式
  ・DEFMEM .TXT このファイル


3. DEFFAULT.MEMの内容
======================

  数値地図50mメッシュ(標高)のフォーマットになっています。

  ・ヘッダーレコードに続けて200レコードが記載されています。
  ・ヘッダーレコードは国土地理院発行2万5千分の1地形図「富士山」に合致
  するように書かれています(必要部分のみ)。
  ・データレコードは上記地形図「富士山」に相当する2次メッシュコードとレ
  コード番号が記載され、標高値はすべて1,000mとしています。

  ・全体構成は以下のとおりです。
    1行目:ヘッダーレコード
    2行目〜201行目:データレコード(標高部分)
    なお、改行コードまでを1行とします。

  一部を修正すると250mメッシュとしても利用できます。なお、250mメッシュの
場合は拡張子を.SEMとしてください。

4. 使い方
=========

  部分データを必要な箇所に記入し、必要な部分を変更してください。

  ・・・これでは、何もわかりませんね。
  以下に順番に説明します。
  なお、国土地理院の「数値地図」カタログにフォーマットが記載されています
のでパンフレットをお持ちの方はそちらも参照してください。


 4-1.ヘッダーレコード
 --------------------

  項目名     開始位置 バイト数  要否   内容
------------------------------------------------------------------------
●2次メッシュコード 1 6 要 地図にあわせて変更する
250mメッシュのとき下2桁は00
 原図の縮尺 7 5  要  50mメッシュは 25000
  250mメッシュは200000
 原図測量年紀 12 4 不要
 原図修正年紀 16 4  不要
 数値化年紀 20 4  不要
○東西方向の点数 24 3  要  50mメッシュは200
  250mメッシュは320
○南北方向の点数 27 3 要  50mメッシュは200
  250mメッシュは320
●区画左下の緯度 30 7 要 度(3)分(2)秒(2) ( )内は桁数
●     経度 37 7  要 度(3)分(2)秒(2) ( )内は桁数
●区画右上の緯度 44 7  要 度(3)分(2)秒(2) ( )内は桁数
●     経度 51 7  要 度(3)分(2)秒(2) ( )内は桁数
 図葉面数 58 1  要 1(固定)
 1番めの図名 59 20 要 地形図の名前(漢字)
 フラグ 79 1  要 1(固定)
 2番めの図名 80 20  不要
 フラグ 100 1  不要
 3番めの図名 101 20  不要
 フラグ 121 1  不要
 4番めの図名 122 20  不要
 フラグ 142 1  不要
○記録レコード数 143 3  要 50mメッシュは200
250mメッシュは320
 コメント 146 80 不要
 レコード1のフラグ 226 1  要 1(固定)
    ・
    ・
○レコード200のフラグ 425 1  要 1(固定)
 余白 426 583
 復帰・改行 1010
----------------------------------------------------------------------------
●図幅ごとに変更する必要があるもの。
○250mメッシュ利用時に変更する必要があるもの。

 なお、250mメッシュ利用時にはレコード数は320となるので、レコードxxxのフラグは
320まで必要で、その後の余白が少なくなり、最終の改行コードは同じ位置になります。
(すなわち、250mメッシュでは余白は463桁です)


4-2. ヘッダーレコードの修正箇所
-------------------------------

  上記●がその項目ですが、例えばソフトによっては2次メッシュコードを参照
せずに緯度経度のみを参照しているもの、などがあり●が必ずしも必要とはかぎ
りません。しかし、わかる範囲で埋めておいたほうがよいでしょう。
  ちなみにカシミールは2次メッシュコードは参照していない(Ver2.0)とのこと
です。

 (1)2次メッシュコード :該当する2次メッシュコードです。

2次メッシュコードと地形図の対応リストはFYAMAP LIB-3 #112にあります。
------------------------------------------------------------------------
HGE03220 95/01/18 82178 B メッシュコード・図名対応リスト Ver.1
------------------------------------------------------------------------
  (同リストは、FYAMAP CD-ROMの\DAT\ZU_MCにも収録されています。)
 
  リストは、2.5万地図コード,5万地図コード,1次メッシュ,2次メッシュ,2.5万図名,読み,
 20万図名,5万図名の順に記載されています。

  ちなみに、このリストでは「富士山」は以下のように記載されています。

  5338082,533808,5338,533805,"富士山","フジサン","甲府","富士山"

  これにより、2次メッシュコードは533805となります。250mメッシュとして使
う場合は1次メッシュに下2桁を00とし、533800とします。

 (2)左下、右上の緯度経度:該当する地形図の左下、右上の位置です。

    地形図から読み取ってください。緯度経度とも「度」は3桁ですので
   北緯36度25分30秒の場合は0362530としてください。


 4-3.データレコード
 ------------------

  項目名     開始位置 バイト数  要否 内容
------------------------------------------------------------------------
●メッシュコード   1 6 要 ヘッダーレコードの2次メッシュ
                       コードと同じ。
●レコード番号 7 3 要 001から200まで(50mメッシュ)
                       001から320まで(250mメッシュ)
●標高値 1 10 5 要 単位はcmです!
●標高値 2 15 5 要 
●標高値 3 20 5 要 
   ・
   ・ 
●標高値 200 1005  5 要 250mメッシュでは320まで必要
------------------------------------------------------------------------
 以上が1レコードで最後は改行コードが入ります。

  50mメッシュでは200レコードありますので、ヘッダーレコード1010バイトにデ
ータレコード1009バイトが200個分で1枚の数値地図になります。
  レコード番号は北から南に、1つのレコード内の標高値は西から東に数えます。

         +------------------------+
レコード1   |標高値1,2,3・・・・200 |
レコード2   |標高値1,2,3・・・・200 |
・   | |
・   | |
レコード199  |標高値1,2,3・・・・200 |
レコード200  |標高値1,2,3・・・・200 |
        +------------------------+

  *標高値はメッシュ(四角)の中心点の標高です。このため、ほとんどの場合
山頂や三角点の標高とは一致しません。


 4-4. データレコードの修正箇所
 ------------------------------

  DEFAULT.MEMではメッシュコード、レコード番号が記載済みで、標高値はすべ
て10000(1,000m)としてあります。
  このためレコード番号以外はすべて修正する必要があります。

  なお、標高値は10センチメートル単位ですので入力時には注意してください。
  デフォルト標高は1,000mにしていますので「1」が書いてある場所が千メート
ルです。


 4-5.レコード番号等の求め方
 ---------------------------

 地形図から一部の標高値を読み取る場合、レコード番号および標高値の何番め
 になるかを求める必要があります。
  これはレコードの定義から簡単にわかります。

  50mメッシュの場合、南北方向5分、東西方向7分30秒をそれぞれ200等
分していますので、1レコードは南北1.5秒、標高値は東西2.25秒単位です。
  同様に250mメッシュでは南北7.5秒、東西11.25秒単位です。


5.修正のヒント
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  前記4.までで修正方法の説明は終わりです。
  以下に、私のわずかな経験からヒントになれば、と思ったことを記載します。
  なお、カシミールでの利用をモデルとしています。また、エディタは秀丸を想
定していますが、他のエディタでも同様と思います。

 5-1. エディタの「行」表示の設定
--------------------------------

  同じような数値が並びレコードの区切りや何番めのレコードを処理しているの
か、わからなくなることを防止するため、以下の設定をします。

  (1)行番号の表示
    秀丸ではメニューの「その他(O)」-「設定(C)」で「□行番号表示」をチ
ェックします。これで左に行番号が表示されます。

  (2)行数の数え方
    秀丸ではメニューの「その他(O)」-「動作環境(E)」から「編集(E)」を選
択しここで「行番号の計算方法」を「エディタ的(改行のみ数える)」にし
ます。

   以上の2つで編集中のレコード番号がすぐにわかります。ヘッダーレコード
がありますので、データレコードはレコード番号1は「2行目」でありレコー
ド番号200は「201行め」となります。

   このような表示にしておくと150レコードめへ飛びたいときは検索機能で
151行めに飛べば済みます。

   さらに折り返し行数を例えば80行などとすると上下の行で標高値の書き出
し位置が揃うので見易くなります。

 5-2. エディタの「置換機能」の利用
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  ・レコードのメッシュコードを変更する場合、50mメッシュでも200、250m
メッシュでは320箇所の修正が必要です。これを簡単にするにはエディタの置
換機能または検索機能をお薦めします。デフォルトの標高値をほかの数値にする
ときなども同様です。

  *DEFAULT.MEMで標高値を10000としたのは編集時の目印のためです。0のまま
だと書き出し位置がわからなくなるからです。


 5-3. 上書きモードの利用
------------------------

  ・標高値を記入する場合は挿入モードでなく上書きモードにしましょう。
  カーソルタイプを選べる場合はDOS風にしておくと前後の文字と間違えません。


 5-4. 試し利用
--------------

  ・メッシュコードとヘッダーの緯度経度を入力したら修正したい場所に適当な
数値を入れてカシミールに登録してみましょう。 

  50mメッシュの場合は「数値地図の登録」ではなくて「地図データを開く」か
ら読み込みます。読み込み時に「250mメッシュも開きますか」と聞かれるので
「はい」にします。すると、既存の数値地図(フリー数値地図も含む)とともに
該当のエリアが開かれます。たぶん、周囲とは色が異なって見えるでしょう。ま
た、適当な数値を入れた部分がわかるはずです。
  開かれた位置は正しいでしょうか。開けない場合は元データのどこかが間違っ
ています。また表示される位置が違う場合にはヘッダーレコードの左下・右上の
 緯度経度が違う可能性があります。


5-5. フリー数値地図の修正
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 ・フリー数値地図にお気に入りの山を追加するには、以下の手法を参考にしてく
ださい。当然すぎてあんまり参考になりませんが。

  (1)メッシュコード、ヘッダーの緯度経度などを該当の山域にあわせて修正し
ます。
  (2)山頂の位置の標高値を入れる。(周囲数点)
  (3)この状態でカシミールに登録してみる。
   ・カシミールでみるとほかの山との大きさの差がわかると思います。
   ・カシバードで描画させるといっそうはっきりします。(たぶん、棒のように
  見えます)
  (4)ここでどこまで塗り潰すか考えます。

    点、あるは棒にしか見えない山を山の形にするのは標高値の追加が必要で
す。ちなみにフリー数値地図では1500m程度の山でも単独では南北東西とも
5分程度の範囲で作成されています。30〜40レコードの30〜40標高
値、すなわち900〜1600件程度の入力が必要になります。しかも、円
錐形にするためにプロットする数値を作成するのはちょっと苦労ですね。

    そこで・・・

     案1:現状で満足する。
     案2:円錐形を作るぞ!
     案3:階段山にしてしまう。(一定範囲のものはずべて同じ標高し山頂
                に近づくにつれて標高を高くする)
     案4:どうせだ、周囲の部分も地形図から読み取り部分データを作成し
    てしまう。

   あなたは、どれを選びますか?
 
6.その他
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 6-1. 著作権
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   ・本ドキュメントの著作権は多摩の岳夫(GFA03144)が保有します。
   ・カシミールはDAN杉本さん(JCD01204)の著作物です。
   ・メッシュコード・図名対応リスト Ver.1はT.OOYAMA さんの著作物です。
   ・秀丸エディタは秀まるおさん(PEH00775)の著作物です。

 6-2. 転載条件
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   事前にメール願います。アーカイブごと転載してください。

 6-3. 免責
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   本ドキュメントおよび付属データは細心の注意をはらって作成しましたが、
誤りがあるかもしれません。また、作者は本ファイルによるいかなる精神的
  物理的損害に対して責任を負いません。
   なお、感想やミスを発見された場合にはメールまたは、NIFTY-Serve FYAMAP
14番会議室までお願いします。

   また、本ファイルの記述内容については国土地理院および日本地図センター
等の機関はまったく関知しないものです。間違っても上記機関に照会しないで
  ください。

 6-4. 謝辞
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   本ドキュメント作成のきっかけを提供していただいたNIFTY-Serve FYAMAPの
皆さん、とりわけWalstoneさん、TYFさんにお礼申し上げます。