東京は花曇りという感じであったが天気予報では午前は晴れるとのこと。ま、山が見えなくても良いというつもりで車を進める。勝沼に出るとうっすらと白い南アルプスが見える。まずまずであろう。釈迦堂で桃を見て再び車上の人となる。須玉あたりまで来ると左には甲斐駒と鳳凰が大きく見える。須玉で高速をおり一般道へ。ふたつめのトンネルを抜けると目の前に甲斐駒ヶ岳が大迫力で迫り、おもわず「おお」と声が漏れる。やがて実相寺に着いた。
ようやく8時という時間だがすでに周囲には車がたくさん、人もたくさんであったがごった返すというほどではない。たぶんこの時期だけ有料なのだろうと思われる臨時駐車場で500円を払い、さっそく散歩をする。
目的の神代桜はすぐにあった。いかにも古木という感じで幹が太く、多数の支えに枝を持たせながらも桜は元気に咲いている。
境内には神代桜以外の桜も多数咲いている。庭園にはスイセンの花が黄色く色ついている。
境内の外では屋台の声が威勢良く、大型カメラを持つ人たちは少し離れた場所で、桜の背景の甲斐駒ヶ岳に陽がさすのを待っているのか、ファインダーを覗くこともなく無聊にすごしている。
甲斐駒の左には鳳凰がまだたくさんの雪をいただいている。
目を凝らせば、地蔵岳のオベリスクが見える。観音岳は雪。地蔵岳の右奥には高嶺がやはり白い。
八ヶ岳は少しかすんでいるがそれでも赤岳がすっくと伸び上がっているのがよくわかる。こちらも当然白い。編笠山が木がない山頂部だけわずかに白いのが面白い。
そんなふうに山と桜を見たあとで、今度は2年ぶりとなる八代ふるさと公園にカーナビをあわせた。
山高の神代桜の地図(Mapion)
2.八代町ふるさと公園
あいにくの花曇りで遠望はききにくいが、それでも須玉で高速を乗った直後には進行方向にすっくと立つ富士山がよく見えた。この方向からの富士山は東京から見るよりも角度があり、北斎や子供の絵の富士山に近い傾斜で、おっとりとした感じはない。
さて、山梨県でも一宮町が「日本一の桃の里」と高速沿いに大きな看板を掲げているが、甲府盆地はどこも桃の里で隣の御坂町も石和町も八代町も桃の町だ。高速を走ると左右に広がる桃色の絨毯が山裾から盆地の中まで広い範囲に見える。
一宮御坂で高速を降りて、西に戻る。シーズンの日曜日ということで各町で桃の祭りがあるようで、市民マラソン大会も今日はふたつある。
八代町も桃祭りがふるさと公園で開催されるため、今日は車で公園への乗り入れができず、ふもとの小学校の校庭の臨時駐車場に入れさせられる。こっちは無料。公園まではけっこうな距離があるので歩くのは大変だなあ、と思っていたら、無料送迎バスがあるようで、これに乗って公園の上まで一気に乗り付けた。乗る前にお持ち帰りようのごみ袋を渡された。
ふるさと公園は通常の駐車場から上の広場まではそこそこ(といっても10分もかからないが)登るのでこれはラッキー。
桃は満開だ。
南アルプスは霞んでいるが白く見える。その霞も時間によって薄くなったり濃くなったりするようで意外によく見える瞬間がある。
さすがにお祭り会場、けっこう人がいるが、上の公園では特になにもやっていない。案内所と休憩所があるだけだ。
ところがしばらくすると下の方から大きな音楽の音とボーカルの声がしてきた。
ごみ袋と一緒に渡されたお祭りのしおりには今日の予定ということでコンサートや仮面ライダーショウ(のようなもの)などが予定されていた。
野外ステージがあるのだから仕方ない。その横には多数の屋台がにぎわっている。
ワインの試飲の誘いにフラフラっとなったが、まだ帰路は長いので諦めた・・・。
年に1回くらい来て、桃を見て山を眺める身としてはうるさい余興は興醒めではあるが、地元の人には楽しみの行事なのだろう。小学校の駐車場で整理をしていた若いお姉さんやバスに添乗して案内していた男の人や狭い道を通行する大型観光バスのために交通整理をしていたおじいさんなど、きっとやりたくない人もいるだろうと思いながら、帰りのバスに乗った。
行きには数台しか駐車していなかった小学校も帰りにはすでに100台近い車がいたと思う。バスを待つ人は長蛇の列だったのでいい時間に来たと思う。