霧ヶ峰98 この山の写真|山旅日記
霧ヶ峰9898/7/12
沢渡の斜面と八島湿原 カシミール用場所表示

 今年も、これだけは、という気持ちで行ってまいりました。
 本当は土曜日に行こうかと思っていたのですが、予期せぬ宴会と2次会で帰宅は23時を過ぎ、インターネットで調べた白樺湖あたりの天気予報も土曜日よりは日曜日の方が良さそう、家内も、日曜日にすれば、と。とはいえ、土曜日に行くってフォーラムで宣言してしまったしなあ、などと思いながら寝ると、目がさめたのは8時前、しかも天気はけっこういいじゃないか・・。もっともカメラのフィルムは1本しかないし、ビデオのバッテリもないので、明日の天気回復を祈念しながら、フィルムとバッテリを買った。バッテリって高いんですね。安売りショップでも1万円しました。もっともリチウムバッテリは軽いし、充電時間も短い。

 というわけで、気合いで3時半に起床し、4時に出かける。もっとも昨年まで確かにあった「美ヶ原・霧ヶ峰」の地図がどうしても見つからない・・・。どうせ判っている場所だからいいか、と諦める。天気はくもり。
 近所のコンビニで昼食を買おうと思ったがあんまり良さそうなのがないのでパンを2つばかり買って、後は途中で買うことにする。

 八王子ICは4時半。車はさすがに少ない。
 高尾をすぎ小仏トンネルに近づくにつれて霧が濃くなり視界が200メートル程度になり、先が思いやられたがトンネルを抜けるともとのくもりに戻った。

 笹子トンネルを抜けると空は曇りから晴になってきた。
 南アルプスも中央部は見えないが笊ヶ岳の特徴ある双耳峰が遠くに見え、近くには白根3山もよく見える。右奥には八ヶ岳の姿もある。梅雨どきにこれだけ見られれば、十分だ。

 一宮御坂を過ぎると車はほとんどいなくなる。
 韮崎をすぎるとさっきまで雲がかかっていた甲斐駒と鋸岳が深い緑の山肌を見せる。八ヶ岳は山頂付近に雲がかかっている。
 八ヶ岳パーキングエリアの売店でなんか食べようかと思ったらまだ閉まっていたので、でがけに買ったパンを食べて車を進める。
 諏訪ICを6時に出て、20号に入ってすぐのコンビニで昼食を買う。
 天気はいいが、霧ヶ峰方面には厚い雨雲がある。
 「「霧」がみね、だから仕方ないか」と思いながら元町交差点で右に折れる。

 おお、遅い!!。私の車である。
 210馬力のマニュアルのスカイラインから140馬力のオートマの乗り換えても、高速道路ではそれほどの不足は感じないし、むしろ、4WDの安定感があるが、山登りはだめだああ。おお、HOLDモードを忘れていた。HOLDモードで、少しはレスポンスがよくなるが、所詮こんなもんであろう。前を走る軽自動車が遅いので抜きたいけどこの加速ではなかなか抜けないぞう・・・。
 
 樹林帯を抜け、霧ヶ峰に入るとこれまたいい天気だ。南アルプスが雲に山頂付近を隠しながらも姿を見せる。乗鞍岳も見える。北アルプスは雲の中だ。
 強清水の丘にはキスゲの姿は見えない。まだ時期が早いのか。
 歩くコースを決めていなかったが、途中で八ヶ岳が見えたので車山に登ることにした。
 沢渡のヒュッテジャベル入り口の林道に車を置く。時刻は6:38だったか。さすがにまだ車は数台しかいない。登山道入り口のそばに置くことができた。

 迷わず肩をめざして歩きはじめる。

  歩きはじめてすぐに多数の高山植物が咲き乱れている。ミヤマキンポウゲ、ヤナギラン、うう、花の名前がわからんぞ。マツムシソウより濃い青いのは何て言うんだ。あの赤紫のはハクサンチドリか??。
 ここではまだキスゲは咲いていない。
 中腹を過ぎるとキスゲが咲きはじめるが量は少ない。しかし色がきれいな気がする。明るい山吹色である。

 (注)このあたりに咲く花の名前と写真はモスリンさんのこちらのページに詳しく説明されていますのでぜひご覧ください。あちらを見たら、またこっちに戻ってね。

 振返ると乗鞍岳が雲に隠れ始めた。歩きつつ振返るとどんどん雲があがり、肩に近づくころには完全に見えなくなってしまった。

 肩で小休止。
 売店の自動販売機でジュースを買い喉を潤す。車で準備したときに自動販売機をあてにして水筒はもたずに軽いポカリスエットのペットボトルだけを持ってきたのだ。ここまで来ると観光客も目につくが、昨年来たときに比べると時間のせいもあり全然少ない。
 そのまま車山をめざす。

 前を行く中年夫婦を追い越そうとしてご主人の歩きかたに目を止める。ご主人は右手に長めのスキーストックを持って杖のように使っている。足が悪いようだ。最近は私も含め、多くの人が山ではステッキを使うので直前に車山で判らなかった。足が不自由な割には歩みは速く、珍しく調子がよくてテンポの早い私が、ちょっと写真を撮っているとすぐに追い付かれてしまう。
 この夫婦とはこのさき、蝶々深山まで前後して歩くことになった。
 

車山から逆光の南八ヶ岳  頂上には自動販売機がなかった!
 1昨年はたしかにあったし、中でビールも飲めたのだが、撤去したのか、シーズンにはまたできるのか・・。まあ、あとは蝶々深山へ行って下るだけだからいいか。
 山頂からの展望は先程とあまり変化がないが、ここまで来ると八ヶ岳がよく見える。中央道では山頂付近に雲があったが、なんとか山頂がほとんど見えている。編笠山の右奥には富士山も頂上だけだが見えている。午前の八ヶ岳は逆光になるがそれだけに南八ヶ岳が荒々しい。

編笠山と右に富士山の山頂

 そばにいた夫婦が「あれが本当に富士山だろうか」と悩んでいたので「間違いないです」といってあげたが「あんなに低いの?」と疑っていたようだ。さすがに「見かけの高さ」までいうつもりはなかったのでそのままにしておいた。

 かなり早い昼食をとり、八ヶ岳を眺め、涼しい稜線の風に吹かれて久しぶりに至福のひととき。ああ、このためだけに山に登るのだ。

八ヶ岳とキスゲ


 山頂の反対側にはスキー用のリフトがあるので、観光客の姿がめだつがやはり数は多くない。
 20分ほど休んで反対側に下る。急斜面を下りキスゲの咲くあたりで八島湿原への道を行く。ここも人は多くない。蝶々深山では集団登山の団体がいたが、その団体が過ぎると静寂が戻る。このあたりが今はもっともキスゲが多いようだ。八島への道を途中で左に折れると沢渡への道だ。道幅は急に狭くなり、山道らしくなる。両側の草花で足元が見えない。キスゲの数は少ないが、お花畑を独り占めした気分だ。ひさしぶりにちゃんとした山道を歩く気分
 カッコウと鶯の鳴き声が響く。
 誰もいない。

 この沢渡への分岐はちょっとわかりにくかった。
 蝶々深山から八島へいく途中に大きな道標があるが、2枚とも同じ方向(進行方向左上の山の方)をさし、しかも行き先が直感的ではなくてよくわからない。たしか片方は「車山、沢渡」でもう片方が「八島湿原、強清水」となっていた気がする。
 いずれにしても方角的には左だし、目標も見えているのでかまわず進み、また途中でさらに左に曲がったが、しばらく行くと左からよく踏まれた道が合流してくる。どう考えても先程のメインストリートの道標より車山よりに分岐があったようだが、気がつかなかった。

 あと、これはコースの性格上(人が異様にいない)仕方ないかもしれないが、沢渡への道をどんどん歩いていくとやがてたぶん個人所有と思われる別荘に出そうになってしまった。わずかに右に踏跡があるのでそれをたよりにほんの20メートルほど歩くと立派な道に出た。ここから20メートルくらいでジャベルへの道が左折する。この左折ポイントも特に道標はない。私は昨年、沢渡から逆にここに出て、それから左にまがり八島へ行ったので、迷わず左折したが。

 文句をいう前に地図を持って行け?? ごもっとも。

 車に戻るとすでに路上は車であふれていて現実に引き戻された。

 10時前には出発し、渋滞もなく13時前には帰宅した。